ガマンの限界だった。

あたしは男子達のところへ行き、貴広とつき合っているのは自分だということを打ち明けようとした時だった。

「──ちょっと、あんた達、大野さんとかおりちゃんがそんな関係なわけないでしょ?」」

男子達に向かってそう言ってくれたのは由美子だった。

ラインの仕事の準備をしながら会話を聞いていたみたい。

由美子は唯一、あたしと貴広がつき合っていることを知っている人間だ。

「オレ達はあくまでも仮説を話してだけだろ?」

男子の一人が苦笑いを浮かべた。

「そうだろうけど。エロイことしたとか言ってえげつないこと言わないの! それに大野さん彼女いるんだから」

「へぇ。大野さん彼女いるんだ?」

「いるよ。あたし彼女と一緒にいるところ見たことあるし」

由美子がちらっとこっちを見た。