なぜか、心残りは、何もないのに。










彼を好きにならないでってどこかの誰かが叫んでる。











だから、好きになっちゃいけない。









「俺さ、このバスケの試合で言おうと思ってたんだけど、俺、おまえのこと…」












やだ…言わないで…。






「やだ!!!!!!!!!!!!!!」









とっさに、彼に大声を出してしまった。









「え…俺のこと、嫌い?」









「野宮くんのこと、嫌いじゃない。でも、付き合えない。私…その…」











「じゃぁ好き?」









好き…じゃない…。






そう思ってきた。






でも、私は…私の心は好きって叫んでる。







好きだよ。いま、ドキドキする正体がわかったよ。









「好き…じゃない…。」








「え…??」








「好きじゃ…ない……」







私は、周りが涙のせいで見えなくなった。











「好きじゃない!」







そういって私は、走って学校を出た。










そして学校が見えなくなって私は立ち止まった。










「好きだよ…野宮くん。大好きだよ…」






涙が止まらない。





ねぇ、どこかの誰かさん。どうして彼を、野宮くんを好きになってはいけないのですか?