私はいつの間にか校門の前で立ち止まった。








私は、あそこに居たくなかった。









だって菫ちゃんがいたから。








あと、野宮くんにドキドキしているから。










その時だった。







「小田切!!」







背後から私を呼ぶ声が聞こえて振り返った。









「野宮くん。」








「体育館、暑かったから外出た。そしたら小田切がいたから、話しかけたんだ。」









ドキドキするから、話しかけないでよ。










「さっきはありがとな。すごい嬉しかった。俺、調子者じゃないだろ?」










私は頷いた。







もうやめてよ。何も言わないで。







私、あなたを好きなってはいけない。