聞こうと思ったときにはもう、意識が戻って、現実世界に戻っていた。





「小田切…。大丈夫か…。」









目の前には天井。








ここはきっと保健室だ。







私、あのまま倒れて…運ばれてきたんだ。









運んできてくれたのは…




「あ、あの、五十嵐くん、運んできてくれた?」






私はベッドから起き上がって、五十嵐くんを見つめた。








「まぁ…。それより大丈夫か…泣いてるぞ。」








へ?
私が、泣いてる?





私は、自分の頬を手で触ってみた。





本当だ、泣いている。






私、泣いてる。







「ごめん、涙じゃないの。汗とか、ドライアイとかだから!」







慌てて涙を拭いた。








「それより、五十嵐くん、ありがとう。運んできてくれて。」









「あ、いや。まぁ、普通だよ。自分で殴って自爆して倒れて、いろんな人の迷惑かけてるし。お前の親衛隊も踊りてた。」








「あ、ごめんなさい。」






まさか親衛隊さんたちにも迷惑かけているとは。







「人に迷惑かけたりするんじゃねーよ。いろんな人がどれだけ心配したか。」