教室の扉を開けた。

目に入ったのは、家族達。



気まずい。

心臓がどきどきどきどき。


席に着くのにも足が震える。



大丈夫だよ



あの声。

…そだね。大丈夫だね。



席に着くと、くるりと左を向く。

皆の顔が見えた。



『…まーさん、かずにい、とーさん、杏梨……』

「「「「…………」」」」




『………ごめんなさい』


それだけ言うと、言葉があふれ出してきた。


『皆が言ってたことが、正しいって分かってる。あたしが我が儘っ、言ってるだけだって、分かってるっ。でも、その正しい意見がっ、あの時、苦しくて…。でもっ、今…ならっ、分かるから……。ごめんなさい、あんなっ、言い方…してっ…。皆の、優しさをっ、素直に、受け、とめること、できっ…なくてっ…ッ…』


情けない。
最後、ボロボロ涙まであふれ出してきてしまった。


ううう…と恥ずかしさと情けなさが体中にはしる。




その時。


ぽん、と。

あったかい手が、あたしの頭をなでた。