「…それじゃあんたの手が冷たいでしょ」

「大丈夫です」

「……ああ…、そう」



つーか俺も大丈夫なんだけど。
どんだけ大火傷したのさ。




「……チリチリ引きました?」

「むしろドキドキしてるけど?」

「ええっ!?」


「…なんでもない」



脈打つように痛むなんて、と憐れんでくれる雅を無視して、しばらくそうしていたけれど。




「…もう平気だから」


そろそろ離してくんない?

こんなの見られたら、一樹くんに刺されそうだし。

シャツ、冷たいし。




「そ…ですか?」

「そ、ですね」



溶けて小さくなった氷が、シンクの中に起きっぱなしのコップに、落ちる。



「あーぁ……ラーメン…」

くったくた。


あんたのせいだよね。

責任取って、ちゃんと食いなよ?




「……えぇ…」

「食え」

「…………えぇ~」


「俺、新しいの作るし」