「く…食いません」

「……ああ、そう」



せっかく可愛い顔してんのに、どうしてこう…めんどくさいのか。

佑二は鬱々と、苛々と。

雅から視線を外して、キッチンに立った。


余計なものが散らかり気味ではあるけれど、男兄弟の二人暮らしにしたら、マトモな方だろう、と思う。


小さな鍋は、出しっぱなし。

きっと兄貴が、朝か昼、事務所に降りる前に、何か作って食べたに違いない。



ガサガサとインスタントラーメンの袋を開けて。

ああ、兄貴…二食ともコレ食ったのか、と5個パックのラーメンが3個になっていることに、なんとなく物悲しいものを、感じた。




「烏龍茶、飲まないの?」

「…だってよそのウチの冷蔵庫…開けたらダメですよ」



ああ…、そういや…そうか。

なんだ、真っ当な事も言えるんだ?