シャワーを終えて。

いつもなら掻き上げておく髪をどうするか悩んだ。


きっと、必要以上に目を見ようとするに違いなくて。

もしかしたらまた写メる気で迫るかも知れない。


でも…わざわざ乾かすのめんどくさい。
マジめんどくさい。


佑二は長い、濡れた前髪をいつものように掻き上げて、雅のいる部屋へと、向かった。




「………うわぁ…」

まだ見てる。
まだ熱帯魚見てるし。




「あ、佑二さん、この青いの、なんてい…………」


振り返った雅は、明らかに息を呑んで。
明らかに、頬を紅潮させた。





「…しゃ…写メ…………」

「撮らなくていいし」

「写メ!」

「撮らなくていいし!」

「や!だって!」

「だってじゃないから!」




ああもう!
やっぱやめれば良かった!

なんでこんな、好奇心旺盛なんだ!!