「…シャワー浴びるから、中にいなよ。そこに居たんじゃ…邪魔」


部屋は、大して散らかっていなかったはず。

自室は目も当てられないけれど。



「……いいの?」

「良くなきゃ上がれなんて言わないよね?」


「…………」


「……さっさと上がろうか。馬鹿なの?」



佑二の隠れた目が、どんな色を浮かべているのかは見えないけれど。

明らかに苛立った声に、ようやく雅は立ち上がって靴を脱いだ。



「あの……暇だったんで…ブーツの鋲の数…数えてる途中だったんです」


「……まさかそれで今、上がるの躊躇った…とか言わないでよ?」





「……………ごめんなさい」

「…………」



ああ、もう…!!!