「まさか!」


2人には内緒にしてるんです! と、雅は。

短いスカートを気にした友典の視線を避けるように、裾を引っ張った。



「い…一般公開終わったら…すぐ脱ぎますから…!」


うさぎのぬいぐるみは、やっぱりバッグだったようで。

中からトランプをかたどったチケットを取り出して。


紅茶とビスキュイの100円券です、と。
恥ずかしげに、首を傾けた。




「今から…校内を練り歩いて…ビラ配りです」


絶望感すら漂わせた雅は。

入り始めた一般客をちらりと見やって。


行ってきます、と気合いを入れるように、息を吸い込んだ。