赤い髪のボーカリストは、女の子達を連れていた。

初めて見る、人達だった。


その中のひとりが、彼女かなんかで、彼女が友達を連れてきたんだろう、なんて。

彼の歌の甘い余韻が、急速に消えたのを、感じた。




…なんだ、彼も男なんだ。






「………今日は帰る」


あんまり俗っぽいとこなんか、見たくない。

彼女に構うとこなんか。




「ねぇ、次。いつ演るの?」

あの赤い髪は、いつ歌う?




私は次のライブの予定を、ライブハウスのスタッフに確認してから。

打ち上げは?と訊いた誰かに、行かない、とだけ告げて。


赤い髪から、目を逸らした。




「じゃあ送る」

「いいよ、打ち上げ行きなよ」


「…………先約有り?」




…………ああ…したいのか。


いいよ、こんな貧乳ボディでいいなら、好きにしなよ。