「打ち上げ、行くでしょ?」


そう訊くのは、どこかのバンドの、ギタリスト。


他の皆は大抵、つるんで遊びに来ているから。

私みたいな、誰のものでもなく、どのバンドのものでもない、しかも何故かしょっちゅう顔を見かける奴を。

いつの間にか決まっている、その日の担当みたいな感じで、誘う。



打ち上げに誘う、ひとは。

終わりまで私の面倒を見るのが当たり前のように。

人当たりの悪くない、比較的誰とでも馴れ馴れしく接する私にビールを注いで。


いつの間に知ったのか、私の名前を耳元で呼んで。



送って行くよ、と意味ありげに囁くのが、常。