「え?どこ行くの?」

「真ちゃんち」


風邪引いたんだって。
熱あるんだって。
頭痛いかも…。

あ、リンゴのコンポート作ったから、哲の分、冷蔵庫に入ってる。仕事終わったら食べてね?


「行ってきまーす!!」



ちょっ…待て、蜜!! と。

仕事途中の哲の声。



私は。

ひとりで真ちゃんの家に行くことを許されてはいない。



でも。
でも、そんな時くらい。

トモダチが、熱出してる時くらい。


男女だから云々。
2人きりは云々。

そんな生々しい心配、されたくない。



だって、ひとりで具合悪いの、可哀想じゃん!!!!