もーいーくつ寝ーるーと~
お~正~月ぅ~

…などと歌う暇もない年末を過ごした私は。





「…哲…三つ葉無い」

「あるよ」

「……鶏肉…」

「買ってある」

「………お餅」

「あ、一昨日貰ったの切ってある」

「………………ありがとう」




確かに。
あまりにも、忙しかった。

忙し過ぎて、何ひとつ準備しないままの大晦日。

哲が黙って進めてくれた準備に甘え、しょんぼりと。


せめて、哲の好きなきんぴらくらい作ろうと、涙を飲んだ。