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ああ、そうだ。


「克己」


入り口で、振り返った。




「うまくいくと、いいな」


心の底から、そう思う。

相手に喜ばれるかどうかなんて、気にした事もなさそうな彼がクリスマスに会いに行く事を躊躇うなんて。




「…兄貴もね」

“大事なもん”によろしくね?と、悪戯っぽく笑う克己を、生意気だと思った。





「…Frohe Weihnachten」

「Merry happy Christmas!」



呟くように、声を掛ければ克己は当たり前のように、そう返し、笑顔で手を振った。


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