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笑っていられるならば。

雅が、笑っているならば。


きっとそれでいいんだ。





店内のシンプルな黒い時計に目をやった凱司は、眉をひそめた。


「帰るからな」

「…兄貴なんでそんなに帰りたがるんだよ」



選んだ2つのピアスを装飾してもらう為に一旦手放し、克己は不満げに唇を尖らせる。




「大事なもん、うちに置きっぱなしにして来た」


くしゃくしゃと克己の髪を撫で回し、いきなりヤろうとすんじゃねぇぞ、と唇の端を上げた。


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