面倒な、ガキだ。
行かないで、と。
言えばいいものを。
何処に行くの、と。
誰と会うの、と。
訊けばいいものを。
素直に、煌やかな装飾品を全て片付けさせ、もっとずっとシンプルな物を指差しては並べさせる克己から、目を離した。
凱司の視線は、自然と雅に合いそうな風合いを探しさ迷う。
まだ、子供だ。
だが、女だ。
綺麗なものは、好きだろう。
鷹野は何か用意しただろうか。
あいつが雅を手懐けるのを、ずっと見てきた。
綺麗なものと、甘い笑顔に雅は、嫌になるほど、嬉しそうに笑う。
鷹野から、離れなくなる。