雅は何をしているだろう。
アザラシを抱いたまま、まだ俺の部屋にいるだろうか。
気に入った音楽を、ひとりで聴いているだろうか。
何時に帰るとも、誰と会うとも、言わなかった。
怒りはしないだろう。
怒るくらいなら、こんなに気を揉んだりしない。
目の奥に寂しそうな色を浮かべるだけで、それすらも押し消そうと、アザラシを抱く。
雅に、何か買ってやろうか。
あいつは、喜ぶだろうか。
素直に受け取るだろうか。
例えば、このルビーだとか。
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