街並みは、見事なまでにキラキラと青く輝いていた。
街路樹に施された電飾は、現実を忘れさせるほどに、綺麗だ。
吐く息が、白い。
「あ、やっぱり開いてる。少し選ぶの付き合ってよ」
前方に見えた、黒ずくめの宝石店。
克己は派手な毛皮を翻しながら、嬉しそうに走る。
雅にも何か買おうか。
いつも、そういうのは、鷹野の役目だった。
今更クリスマスだからと改まって何かするのも、照れ臭いというか、柄じゃない。
それにまだ、あいつに宝石は早いだろう。
だけど。