「…ちょっと今から選ぶの付き合ってよ」
「今からか!?」
「クリスマスだから宝石店くらい開いてんじゃね?」
…なんだ。
結局、プレゼントを持って会いに行くのか。
最初からそうすれば良いものを。
白ワインばかりを3本も空けて、育ち盛りの中学生みたいな量を平らげて。
「……ひとりで選べ」
「ええっ!一緒に見てくれねーと俺わかんねーよっ」
克己の我が儘には、これ以上は付き合い切れない。
日付けが、変わってしまう。
いくらなんでも、可哀想だ。
アザラシを抱きしめる時は、不安定に揺れた時なのだから。