鷹野ならば、こういう事は得意であろうに。
何か綺麗で小さくて。
洒落た、役に立たないものを選ぶ。
雅に合いそうな物を、選ぶ。
「兄貴?」
目の前で、克己の手が揺れていた。
「酔ったの?」
「ああ、いや。大丈夫だ」
淡い琥珀色は、香りが強い。
口当たりは、白ワインにしたら重めかも知れない。
グラスを傾け流し込み、凱司は足を組み直した。
「俺、そいつにクリスマスプレゼントも用意してなくてさぁ」
やっぱそれじゃ会いに行ったら駄目だよなあ、と克己は再びワインを満たし、凱司のグラスをも満たした。