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ぺろり、と唇についたラズベリーソースを舐めとる克己の舌が、妙に雅を思い出させた。


白いクリスマスツリーに、青色のリボン。
銀色の小さな球体と一緒にキラキラと。



「そいつ、ヤっちゃていいのかちょっと考えたんだよね」


「……あ?」



ようやくフォークを置いた克己は、急に深刻そうな顔をする。

通りがかった先ほどと同じウェイターに、皿を下げるように頼むと、ケーキのテイクアウトって出来るの? と重ねて訊いた。



「泣かれちゃうのがさあ、なんか嫌なんだよね」


テイクアウトが出来ると知った克己は、チーズケーキを5つずつ、2つに分けてね、とにっこりと注文した。


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