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「21…ねぇ」


「それより兄貴にはいないのかよ? 好きな女」



再び話題を振られて、凱司はあっさりと、いないな、と笑う。

いたとしても、克己には教えられない。




「…まさか鷹野一樹がいいとか言わないよな?」


ご丁寧に声をひそめた克己に、思わず噎せそうになり、凱司は眉をしかめた。



「馬鹿言うな」

「だって、うちを出ていったのだって、鷹野一樹の為だろ?」



確かに、タイミングが合ったのは確かだが、話は別だ。


「お前が18になったからだろうが」

「あの家の名義だって、半分、鷹野一樹のもんだって言うし」



なんでそこまでするんだよ?
あいつ、男だろう?


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