「…雅」

「はい?」


未だ制服のまま。

凱司の淹れた、アイスコーヒーに浮いた氷をつついていた雅は。

大きくため息をついた凱司に、無邪気な目を向けた。




「帰って来たとこ悪ぃんだが、な?」

「はい」



…ちょっと鷹野のベッドに侵入して来て…くんねえか?




「…え!?」

だって、具合悪くて寝てるんでしょう…?
起こしたら可哀想なんじゃ…




「……手に負えねぇほど機嫌が悪ぃんだ」

「…えぇ?」


あの馬鹿、ガキみてぇに癇癪起こしやがって。





「…………癇癪…ですか?」

「お前が行けば治まるから」

「…………」



あたし…怒鳴られたり…しません?

お土産………きったない貝殻なんですけど…。