風邪薬と頭痛薬をいっぺんに飲み込んだ凱司は、もう少し寝る、と、雅からカップを受け取ろうと手を伸ばした。




「……………」

「……………………」

「……やっぱり熱いですね」


「…いや………カップをな?」

「…あっ」




差し出された手の、人差し指を握った雅の呟きに、凱司は怒る気も無くしたのか、されるがまま。

慌てて手を引いた雅に、疲れたように息を吐いた。




「も…持って行きますから!」

お水も!



あわあわと頬を染めた雅は、あとアイスクリームとスポーツドリンク買ってきます!と早口で言うと。

もう!笑わないでください!と、唇を尖らせてそっぽを向いた。