いらない、と言う凱司に対し、雅のとった行動は、強硬だった。




「はい」

あーんしてください。




「……………」

「あーんしてください!」



頑なに口を開けない凱司も、ともすれば泣いてしまいそうな面持ちの雅の剣幕に。

しぶしぶ口を開けてみたのが、運の尽き。




「…おいしいですか?」

「……………あぁ」

「良かった!じゃあ、もうひと口」




「………………いや…」


自分で食うから、と、雅の手からスプーンを取り上げた凱司は。

ない食欲を無理に奮い起こそうと、大きく息を吸い込んだ。