行ってらっしゃい、などと口に出すわけもない凱司ではあるものの、つまらなそうに2人を見やった顔は、ひどく不機嫌。


そのままリビングに向かった凱司の背中を見た鷹野は、首を傾けて。


「………雅ちゃん、なんかあったらすぐ電話して」

あんな不機嫌な奴と2人きりにしなきゃならないの嫌だなぁ、と呟いた。




「…昨日、飲みすぎてましたっけ?」

「昨日は早く戻って来てたし…飲み過ぎにしては早起きだよね…」


…俺、仕事休もっかなぁ…などと本気で心配する鷹野に。

そんなのダメですよと苦笑した雅は。



「大丈夫、あんまり怖かったらあたし、お掃除とか頑張って、そばにいないようにしますから」
 

と、その背中を押し出した。