「………真也くん」
深々とため息をついた佳代子は、俺に涙を見せた。
迫っても迫っても、その気になってもらえない、と。
哲也と、エッチしたいだけじゃないんだけど、と口ごもった佳代子は。
自分がどうして、他の子より劣っているのか解らない、と、ポロポロと涙をこぼした。
「……いい女だと思うけど?」
「………でも」
「可愛いョ?」
その、媚びる目とか。
武器になると信じてる、胸の大きさとか。
綺麗になると信じてる、厚い付けまつ毛とか。
しっかり巻いた、髪とか。
ほんとは、そんなんじゃないくせに、必死に魅力的に見えるように飾り立てちゃう、見栄とか。
「俺は、そそられる」
「……………」
ああ……哲の野郎。
あとで何奢らせるかな。