再び、友典と歩き出す。

交通量も、先ほどとは比べ物にならないくらい、増えている。





「………ちっ」

「…ど、しましたか?」



友典が不意に小さく舌打ちしたのを見逃さなかった雅は、驚いたように見上げてから、その視線を追った。





「…………………」

「……完全に不審者ですね」

「…………」




校門のすぐ脇に。
長めの黒髪。

銀色のファーのついた黒いフードをかぶった、サングラスの。




「早く行ってください、すぐ通報されますよ」


「………はいっ」



ポケットに手を突っ込んで、門に寄りかかる様が、顔など見えなくても、一目瞭然。