「さあさあ、一樹さんの悪口はそこまで」

あまり虐めては可哀想ですよ、と。

由紀は可笑しそうに、雅の髪を撫でた。



「いらっしゃい、髪を留めなくては」

新年早々、皆にからかわれて可哀想に。

大丈夫よ、一樹さんはただ、本当にあなたが可愛いだけです。





ドレッサーの前に座らされて、鏡越しに、由紀を見上げる。

にこり、と緩やかな笑みを見せた由紀は、大丈夫、と再び囁いた。



「今日は一樹さんはお仕事?」

「…はい」

「なら、きっと、帰る頃には元通りですよ」




さあ、出来た。

やっぱり娘も欲しかったわね、息子じゃあリボンひとつ結ばせてもらえないもの。