場は変わって、早朝の学校。

雅は、閉まったままの校門の前に佇んでいた。





「………ご…ごめんなさい」

「……いえ」


昨夜のうちに連絡をしたせいで、結果的に早朝登校というわがままを強い、尚且つ門が開いていない、という事態に陥ったことに雅は。

隣に立つ友典を申し訳なさげに見上げた。




「あと2時間近くあります」

うちに来たらどうですか?
まだ、父もおりますし。



一人で行けます、と言いはしたものの、駅に待っていてくれた友典の姿にほっとしたのも確かで。

家では、そろそろ2人とも起きて来るだろう時間に、早くもそわそわしていた雅は。


俯いたまま大人しく、苦笑を浮かべた友典のあとを、付いていった。