「干しエビ入りの卵焼きと、干した冬瓜の炒め物です」

きんぴらと同じ味付けですけど、食感面白いですよ。




…確かに、茶色い。

確かに、そうなんだけれども。




「……めっちゃ本格的に自炊してんの…?」


正直、想定外。

ケーキと野菜サラダしか食わないように見えるのに。

いや、偏見だけど。



きんぴらゴボウとか。

明らかに出来合いでも冷凍でもないし、カット済み野菜ですらないなんて。



「や、本格的じゃないです」

朝は…お味噌汁と目玉焼きが精一杯だし、お昼はほとんど、作りませんし。



なかなか弁当に手を付けない俺の顔を覗き込んで、彼女は何を思ったのか。


「……茶色いごはんは美味しいごはん、って、相場は決まってますから!」


そこそこイケますから!

不味くない不味くない!
ほらコータさん!

怖くない!頑張って!



なんて。

勘違いしたようなことを、可愛く、可愛く、口にした。