「何取りに来たんだっけ?」


「80A2を130個と…132B3と……って…FAXしたじゃないですか!」


「よく見なかった」



正直、彼女が来るという事に舞い上がりすぎた。

…というか、準備万端にして、さっさと受け渡しが済んでしまったらつまらないから。

来たら出そうと思っていた。




仕事着ですよ、と笑っていた服は、夏とは違って、軍服のような素材の、セパレート。

つなぎだと、お手洗い行くとき、有り得ないくらい脱がなきゃならなくて、なんて。


恥ずかしげも無く、そんなリアルな妄想を掻き立てるようなことを、言っていた。

ちなみに今も、その妄想は健在だ。





「ちょっと時間ある?これ、12時に発送なんだ」


俺は、やりかけのまま止まっているフォークリフトを指差して、隣に座って缶コーヒーを開けた彼女の顔を、覗き込んだ。