ねぇねぇ、真ちゃん。


「なーにョ…」


しかし上手く作るな、と、物騒な黒胡椒入りの煙草を手のひらで転がした真ちゃんが。

ようやく、着ていたシャツの襟をゆるめたから。





「……Trick or prank!」


私は体を屈めて。

ちゅ、と。





「…今日の真ちゃん、かっこよかったよ」


投げ出すでもなく、自棄になるでもなく。

丁寧に、ひとりひとりと目を合わせてた真ちゃん。



名前を呼んで。

憐れむでもなく、頭を撫でるでもなく、偉そうな事を言うでもなく。



「うん、かっこよかった」


真ちゃんは、私がした頬へのキスに、珍しく動揺したのか、頭を抱えて。



「……菓子ないからって…悪戯が過ぎんだろ……」

Trick or prankってどういうことだ、意味わかんねぇだろ、と。




珍しく、珍しく、珍しく。

もの凄く照れ臭そうな顔をして、笑った。





~終わりw~