「あのオッサン、馬鹿みたいな髪してたなー、とかさ」

ああはならないようにしよう、とかさ。



真ちゃんが飾ったザクロ見て、花屋さんになる子がいるかも知れない。

質のいいお菓子食べて、パティシエになる子もいるかも知れない。


「あの金髪の道楽ジジイ、今に見てろ、って」

めっちゃエリートになる子だっているよ、きっと。




「……金髪の…道楽ジジイ…」
「そこは気にしない」


「………ひでぇ…」




挽いた黒胡椒。

丁寧に中身を抜いたシガレットの中ほどに。
元々入っていた煙草の葉も、詰め直す。




「できた!はい、真ちゃん!」

「吸わねぇよ!?」



えぇ……頑張ったのに。




鳴り出した、私の携帯。

きっと哲が、迎えに来てくれた、知らせ。


真ちゃんの、思い悩む姿を見れた、ハロウィンパーティーも、もうお終い。