真也さんたら、お友達が来てくれるから大丈夫だなんて仰って!
若奥様ひとりなんて、あんまりです!



「……ご主人は、大丈夫なんですか?」


確か、事故ったから、って真ちゃん言ってた。


「大丈夫ですよ!いい歳して原付バイクなんか乗るから!」

ちょっと車と接触して、足の骨を折っただけです!




えぇ………大怪我じゃん…。
早く帰んなよ…。


通いの家政婦さんは、テキパキと片付けを進めながら、山ほどの愚痴をこぼしたけれど。



「さぁ、あとは大丈夫です。真也さんにコーヒーを持って行って、ご一緒に休んで下さいな」


ニコニコと、手早く。

ローストビーフのサンドイッチと、熱いコーヒーとを二人分トレイに乗せて、私に押し付けた。


真ちゃんは、着替えてくる、と自分の部屋に戻ったきり。


また、何か考えてるのかな。

子供たちひとりひとりにお礼を言われて、すごく微妙な顔をしていた、から。