「ん~?」
「ん~じゃないよ。さっさと口割らないと、また煙草に一味詰めるよ?」
「…あれはお前の仕業か!!!!」
ちょっと前の打ち上げで、確かに私のやった、いたずら。
あんまりにも皆が咽せたから、謝りそびれたっけ。
「Trick or Treat?」
「…うーわ…ムカつくな、この女」
可愛く言えば許されると思ってやがる、と真ちゃんは顔を引きつらせて。
それでも諦めたように、苦笑と共に息を吐き出した。
「………聞いても引くなよ?」
「……えぇ…?」
「引 く な よ !?」
「……oui monsieur」
両手を上げて返事をした私に、真ちゃんが話したことは。
ろくでなしの小汚いエロイケメン、という、今までの“真ちゃん”の認識を覆すような……そうでもないような………、事だった。