「今日は真ちゃんひとりでさばくの?」
「ん~、そうだな、主催者が訳のわかんねー急病で入院しちゃったからねぇ」
くく、と笑う真ちゃんは、なんだかとてもセクシーなんだけれど、それは。
きっと、いつもの覇気がない、せい。
「…………今日は大人っぽいんですね」
「…は?」
「今日の真ちゃん、すごく…悩める大人の男の匂いがする」
「……30過ぎてるからねぇ…普通に大人の男ですょ?」
真ちゃんは、そんな馬鹿な、ってくらいのセクシーな…私の萌えポイントをえぐるような顔をして、コーヒーをすすった。
や、どんだけセクシーかなんて、どうでもいいんだけど。
「…何が…そんなに嫌なの?」
どうして、ナーバス?
私は真ちゃんと膝を突き合わせるほどに近づいて。
真っ直ぐに、真っ直ぐに。
そう訊いた。