私はそのままキッチンに戻って、コーヒーを淹れる。
これから、パーティーなんだから。
子供たちがいっぱい、来るんでしょう?
子供って敏感だもの。
ホストの真ちゃんがあんな顔してたら、絶対ダメ。
「真ちゃん」
再び戻った庭先で。
真ちゃんは活けようとしていたのか、真っ赤に割れたザクロの枝を手に、振り返る。
「おー、お疲れ」
「ねぇ、パンプキンパイって作る?」
「あ、それはさっき届いたから」
あ、そう?
じゃあ要らないね。
「コーヒー飲みたくなったから、勝手に淹れた」
少し休も。
ここ、手伝うよ。
料理、大丈夫だから。
真ちゃんは、私がポケットから出したチョコレートキャラメルに苦笑すると、わざとらしく椅子を引いて、私を座らせた。