もくもくと料理を仕上げる。
メモにあるメニューに沿って。
誰かの途中からの料理って、とてもしにくいけれど。
そういえば、ハロウィンに必須な、パンプキンパイってどうなってるんだろう。
作った方がいいなら、もうやらないと…。
私は、エプロンの端で手を拭きながら。
庭にいるから、と言った真ちゃんを捜して、キッチンを出た。
和洋折衷。
ちょっと、というか、だいぶかっこいい家。
明治時代の洋館みたい。
古いけれど、きちんと手入れされている廊下を行きながら、私は。
チラリと見えた真ちゃんの。
その、遠目からでもわかる不機嫌な態度に、本気で心配になった。
あんな、憂鬱そうに足を組んで煙草をふかす真ちゃんなんか、見たこと、無い。