「なに見惚れてんのョ」
「や、いつにも増してイケメンだなぁと」
私はそんな事を返すと、エビの袋をテーブルに置いて。
尚も真ちゃんの顔を覗き込む。
「なんで、元気ないの?」
「…そう? 元気ョ? それより、そのワンピース」
そういう素朴なワンピースも乳無いと似合うよなぁ、ちょっと肩だけ脱いでみねぇ? なんて。
笑うけど。
…うーわぁ…全然ダメじゃん。全然、からかう意志無いじゃん。
こう言っとけば誤魔化されるだろう、っていう空気しか読めねぇよ。
「………あ~、うん、ごめん。ちょっとナーバスかも」
噛み付く素振りどころか、怪訝そうに黙った私に、ちょっと我に返ったのか真ちゃんは。
に、と、いつもの顔に近い笑顔を浮かべて。
あとで手伝いに来るから、と、私の頭を、撫でた。