こんな姿、客が見たら泣くに違いない。

たかだか雅が、二泊三日の臨海学校に行っているだけだ。

それも、今朝出たばかり。




「………外で遊んでこい」


「やだよ~、小学生じゃあるまいし」



ころころと。
ぐだぐだと。


暑いしー。
眠いしー。
つまんないしー。




「…なら大人しく寝てろ」

「えぇ~」





どうにも、ならない。


雅など、元々はいなかった存在なのに。

どうだこの変わり様は。

ちょっと居ないだけで、このていたらく。

あからさまに拗ねて、あからさまに寂しがる。




「お前……その雅だってもうちょっと耐えるぞ…?」


アレも分かり易い娘だが、コレは……ダメだろう。