よく晴れた、秋の夕刻。

雅はひとり、キッチンで。


もうすぐハロウィンだから、とカボチャのモンブランを作っていた。

焼きあがったスポンジは、シナモン風味。
中にラムクリームを詰めたそれは、すでに冷蔵庫の中。

いくつかを学校に持って行こうと、小さく焼いたものも、一緒に。


上に乗せる予定の、卵白菓子も、焼きあがっている。

あとは、かぼちゃのペーストと、紫芋のペーストとを交互に、モンブランらしく、ハロウィンらしく、飾るだけ。



雅は、不意に鳴ったインターホンをいつものように、何の気なしに受けて。

家主不在を告げようとして、固まった。