「イチゴイチゴ」

「……はいはい」



引きずられて倒れかかった体を起こした私は、テーブルの上にあったグラスの、匂いを嗅いだ。


「これ、なに?」

のど乾いた。飲んでいい?




「あ、ちょっ待っ……あぁ…」

慌てた真ちゃんが手を伸ばすも、私はすでに、水でも飲むかのように、一息に。



「…うぁ」


ジンジャーエールで割った、ウォッカを、喉に流し込んでいた。




「………酔っ払いが更に酔っ払うだけか……」



「…蜜!?」

お前!
そんな濃いもん飲めないだろ!?

水飲め!!




「び…っくりしたあ……炭酸なんだね、これ。お水じゃなかった…」


差し出された氷水を、口の中をすすぐように飲む私から、グラスを全て遠ざけた哲は。


ストロベリーのカップアイスの蓋を開けられずに、いじやける私から、それも取り上げた。