雅は、考える。
凱司に逆らう気はないけれど、具合が悪いのを押してまで出掛けるのは、気が引ける。
行かなきゃならないものではない。
単に、やって当たり前な宿題を、誤魔化さずにやり遂げた、だけの事だ。
それを、家事の合間によく頑張ったから遊んでやろう、と。
褒めて貰えた、だけ。
「…あの………」
「………」
シャワーで、多少はすっきりするかと思った凱司の機嫌は、ちっとも良くならない。
ますます苛々と、煙草に手を伸ばす凱司に、雅は器を差し出した。
「少し…食べたら…薬も効くかも知れない…ですよ?」
今日は…やめましょう?
あたし、大丈夫ですから…。