一斉に湯がいた、モロヘイヤ。

雅は、不機嫌そうな凱司を気にしつつ。
粗熱を取るためか、新しく買ったザルに広げて、テーブルに置いた。




「……お昼まで…もう少し寝ますか?」

「いい」



眉間にシワを寄せたままの凱司の素っ気ない即答に、雅は再び、困ったように首を傾けた。




“それならば”の代替え案は。


少し遠いけれども、ブルーベリーを摘める所へ連れて行く、という、雅にはちょうどいいだろう、昼間のデート。


やや深酒になってしまった昨夜を後悔しつつも、凱司は。

どうにもし難い頭痛と吐き気を宥めるべく、アイスコーヒーの冷たいグラスを、こめかみに当てた。