青菜は、モロヘイヤ。

昨夜、頂き物ですが、と友典が届けてくれた、山ほどの。


雅がそれを、いきなり全て茹でようとしていた事に。

遅く起き出してきた凱司は、何を言うでもなく、胡散臭さげに横目で、見た。




「朝ごはん、どうしますか?」

「まだいい」



頭でも痛いのか、凱司は鬱陶しそうに髪をかき混ぜて、どかりと椅子に、座り込んだ。

すぐに出された、アイスコーヒー。


トレイに乗った薬瓶と、マルチビタミンのゼリーパックに。

凱司はちらりと目を上げた。




「………」

「だってお酒臭いですもん」


今日は無理ですね、と、良すぎる物分かりで小さく笑った雅が妙に大人びて見えて、凱司は。

黙ったまま、薬瓶を手に取った。