ちょうど楽団の、楽器ごとのリーダーと。

次の土曜日の合奏について、ラインでやり取りをしていた、から。

蜜さんはきっと来れないと思う、と。

早めの方が予定がたつだろうと思って、そう送信、した。




『何かあったの?』


すぐに掛かってきた電話は、トロンボーンのリーダー、高崎さん。

何かと蜜さんを気にかける、多分…多分……、蜜さんの事を好きな、ひと。



私はちょっと、迷ったけれど。

蜜さんの、職場の……ほら、髪の赤いかたが…大怪我したみたいで、って。

何も隠すことはないと思って、そう、教えた。





『……そ…か……蜜、大丈夫そうだった?』




今思えば私は。

この時の返事を、間違えたんだと、思う。