きっと、大丈夫。
きっと大丈夫…だろうか、本当に?
「さぁ、一樹さんも浴衣を着なければ」
「え、俺!?」
「私、一樹さんにはコレが似合うと思って、作らせてしまいました」
可愛い、可愛い、と、手放しで喜べなくなっていた鷹野の目を見上げて、由紀は。
綺麗に着付けの終わった雅を待たせ、いそいそと。
早く脱げ、とばかりにTシャツに手を掛けた。
「ほら、一本独鈷の帯が素敵でしょう?」
それは決して安物ではなく。
布地の名前は分からないながらも、落ち着いた、綺麗なもの。
みるみる目を輝かせた雅の気持ちはよく分かる、とばかりに笑った由紀は。
これも20年着れますよ、と。
鷹野がシャツを脱ぐのを、待った。