「絶対、これだよ」


これに赤合わせてさ。

髪もシンプルに結い上げて、赤いビーズで飾ろう。




「でも………」

「絶対可愛いから」



ちょっと高すぎます、と口ごもった雅の視線の高さ。

身を屈めて、まっすぐに覗き込んだ鷹野の。


コレなら、帯変えればあと20年着られるよ、との言葉に。




「…20年……?」

「雅ちゃん36歳、俺もうすぐ44歳」




44! と、弾かれたように笑い出した雅に、凱司は宇田川さんと同じになるね、なんて。

おかしそうに笑いながら。




じゃあ、すぐに仕立てましょう、と布地を受け取った由紀も。

きっととても綺麗な44でしょうね、と、くすくすと。

含み笑いを零した。